人生を歌おう! SING YOUR LIFE♪
昔から人類は、歌ってきました。
声帯は歌うために作られたと言われるくらい素晴らしい機能に満ちていて、私たちはその完璧な楽器を神様から与えられ、それを独占して奏でることを許されているのです。
愛を語るために、物語を伝えるために、豊作を祈り苦難を乗り切るために、そして何より感謝、賛美するために・・・。
その楽器は誰ものもでもなく、あなただけのものであり、あなたしか使うことができない表現の源なのです。
現代社会に生きる私たちは、多種多様な表現のツールを持てあまし、本能的に情報をキャッチし発信していく能力を退化させているように思うのです。
インターネットは一瞬にして世界を駆け巡り、ありとあらゆる情報を思いのままにできるけれど、はたして私たちは、身近な人間とどれくらい本気でぶつかり合い、自分自身を伝え合っているでしょうか。
こんなにも世界が狭くなり、たくさんの道具を持っているのに、人と人との距離が遠くて思うようにモノが言えないのはどうしてでしょう?
あなたの「声」は、ちゃんと届いていますか?
私は20年ほど、ボイストレーニングや歌唱指導にあたってきました。
わざわざお金をかけて歌を習うってことは、それなりに歌手を目指しているとか、本格的に歌を学びたい人が多いかと思われるかもしれませんが、そうではありません。
みなさん、「歌が上手くなりたい。」という動機でレッスンに来られますが、それは決して趣味のお稽古ごとでもありません。
彼らは探しているのです。
どうしたら気持ちよく自分らしく生きられるのか、そして自分が自分であることの意味を。
不思議なもので、思うように歌えないことで、多くの人が真剣に悩んでいます。
それは、何か道具を使ってやるような他の趣味や習いごととは違い、"自分自身の声"が楽器だからでしょう。あの人の声を使って歌ってみよう!というわけにはいかないからです。
歌手でもない限り、思うように歌えないからと言って誰に迷惑がかかるわけでもありません。
ですがこの件に関しては、自分の実力がどうか?などは全く関係ありません。
思うように歌えない歯がゆさや、感情のままに歌えないもどかしさは、気持ちよく生きていけないことに匹敵するくらい深刻なのです。
まるで自分という人間や、どう生きるか?を問われているような感覚に陥るほど、歌うことは【特別】なものでもあるのです。
事実、あなたは自分の声が上手く使えない、と思っていませんか?
それ以前に、自分の本当の声がなんなのかわからない…なんて感じていませんか?
自分だけの"声"であるはずなのに、その使い方をどれくらい知っていますか?
それとも、【歌いたい!】という思いが強すぎて、空回りしていませんか?
あるいは、歌を歌うことに、何の意味があるの?
なんて思っていませんか?
思い出してください。
私たちは、この世に生まれてきたその瞬間から、誰に習うとこもなく思いっきり声をあげ て泣いていました。
ほとばしる生命の力を実感しながら、こう叫んでいたのです。
「わたしはここにいる。」
そして、言葉を話すよりも早くから、あなたは歌っていたのです。
自分自身を生きるために、歌っていきましょう。
Sing your life,Sing my life!